第4回社会貢献研究会の報告

第4回社会貢献研究会の報告
 社会貢献学会では、学会員・ソシエーター・社会貢献活動に関わる方々の情報交流の場として社会貢献研究会を開催しています。第4回は、2014年5月24日(土)18時から14名の参加を得て、工学院大学新宿校舎で行いました。

今回は、新宿区本塩町地域コミュニティ会議の方々を講師としてお招きし、本塩町での町会と企業が連携した防災の取り組みについて報告いただき、参加者と意見交換等を行いました。
本塩町には消防活動が困難な密集市街地や災害時に避難支援等が必要な施設もあり防災上の課題を抱えている地域ですが、一方で新宿区内でも高齢化率が低いことに加えて、町会加入率も高く、地域の結束が強い地域でもあります。また、当地域には司法書士会館をはじめ、様々な業種の事業所が多いのも特徴であり、こうした地域内の事業所との間で、大規模災害発生時の相互応援に関する「災害時相互援助基本協定」を平成18年3月に締結し、本協定に基づいた訓練を毎年実施しています。平成23年度からは、東日本大震災の教訓をふまえ「本塩町地域コミュニティ会議」と改称し、町会と事業所が連携した訓練等を継続して行っています。
今回の研究会では、本塩町の地理的な特徴や歴史、町会と事業所が連携した取り組みに加えて、平成26年1月24日に実施した震災訓練についても報告いただきました。訓練では、(1)司法書士会としての訓練、(2)町会の訓練、(3)各事業所の訓練、(4)地域連携訓練①:連携会議の開催、(5)地域連携訓練②:負傷者の搬送訓練、(6)地域連携訓練③:情報収集・伝達訓練、(7)地域連携訓練④:町会備蓄品の点検、(8)地域連携訓練⑤:盲人職能開発センターの支援訓練、(9)地域連携訓練⑥:連携会議の開催、といった大きく9つの場面を想定した訓練を並行して実施しています。訓練を通じて、たとえば情報収集・伝達訓練において無線機を利用したが、屋内ではなかなか有効に使えないことなどが課題となったようです。
また、当地域への司法書士会館の建設時の状況や、町会向けの備蓄倉庫の設置や雨水貯留槽の設置などを行ったこと、また当会館での東日本大震災時の帰宅困難者対応についても報告いただきました。

今後、当地域内で大規模な再開発事業が予定されており、こうした新たな事業によってもらされるメリット(公園などスペース、マンホール直結型のトイレの設置など)もいかしながら、町会の防災力を高めていく取り組みを進めていくようです。

次回の研究会については、追ってご案内させていたただきます。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。