「東日本大震災に対応する緊急提言」

社会貢献学会ではこの度の震災の支援に関し、以下の通り緊急提言を文部科学省に提出いたしました(平成23年8月4日)。

緊急提言

3月11日の大地震発生から4か月が経過し、東日本大震災のボランティア活動人数は日ごとに減少している。特にゴールデンウィーク以降の落ち込みは大きい。全国社会福祉協議会のまとめによると、ゴールデンウィークの時期は約5万人(1週間あたり、以下同)だったボランティア活動人数は、5月中旬には約3万5千人となり、7月上旬では2万8千人ほどになっている。
ボランティア活動人数の減少は、被災地の復興が進んでボランティアが不要となったからではなく、被災地自治体によるボランティア受入制限はじめ、様々な要因が絡んでいると考えられる。ボランティア活動をするための環境整備が不十分であることも要因の一つである。特にこれから夏休みになり、ボランティア活動を希望する学生が増えることが見込まれるため、学生ボランティアが活動できる拠点づくりや支援措置を行い、学生がボランティアに参加しやすい環境を整えることが急務である。

若者が支援や復興の大きな力になることは自明であり、また学生の段階でボランティアを経験することは、今後日本の将来を担う若者にとって非常に意義の高いことと言える。 そのために政府・地方自治体・大学が協力し合い、学生がボランティア活動に参加しやすい体制を整備するための次の提言を行う。

提言1、学生ボランティアの拠点づくり
学生がボランティア活動を行う際、被災地の情報が不可欠である。既存のボランティアセンター等と連携して被災地のニーズを調査・整理し、全国の大学に対し情報を提供する、ボランティア情報センターの整備を進めること。学生は所属する大学を通して、ボランティア情報センターから発信される情報を得ることができるようにする。このセンターは情報の収集・提供を行うだけでなく、実際に学生が現地でボランティア活動を行う際の活動拠点としての機能も有する。被災各県の大学が主幹校となり、県外の大学も利用できるような拠点が望ましい。

提言2、ボランティア活動を行う学生への資金的な支援
ボランティアに参加を希望しても、経済的な負担が大きいゆえにボランティアに参加できない学生もいる。そのような学生のために、ボランティア保険の免除や新幹線代・高速道路料金等の免除措置を実施すること。政府や地方自治体が大学に対して支援を行い、学生は所属する大学を通して免除措置を受けることができるようにする。

以上