東日本大震災支援委員会のボランティア活動が新聞に掲載されました。

2013年05月11日 毎日新聞に掲載されました。

東日本大震災:石巻・雄勝町の有線放送、住民結ぶ「声」復活 「社会貢献学会」が費用負担

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市雄勝町で、生活情報を伝える有線放送が復旧した。津波で流されたが、防災・減災を研究する学者や企業などでつくる「社会貢献学会」(事務局・神戸学院大)が自治体に代わって整備し、同町で10日、復旧を祝う式典があった。集落の再起を目指す住民同士を結ぶ手段として力を発揮しそうだ。【桜井由紀治】
「今日は有線放送復旧の式典があります。感謝の気持ちを伝えましょう」。同町水浜地区でこの日朝、スピーカーから流れる放送が響き渡った。26世帯が暮らす仮設住宅の談話室に放送局を設置。集落に点在する他の17世帯にも伝わるようスピーカー計5基を備えた。住民らに行事や集会などの情報を知らせる。
リアス式の入り江に小集落が張り付く同町は、震災前に1637世帯4300人が暮らしていたが、約1230世帯の住宅が津波で全壊。就学児童を抱える若い世帯は集落を離れ、約570世帯約1300人に激減した。
同学会は震災直後からボランティアを同町に派遣。がれき撤去などを続け、住民の要望に耳を傾けるうち、有線放送設備が津波に流され、住民が伝達手段を失ったことを知った。
元兵庫県副知事で阪神大震災(1995年)からの復興を指揮した斎藤富雄・同学会副会長らが市に復旧を掛け合ったが、「他地域との不公平につながる」と認められなかった。このため、同学会が4月に有線を設置し、会員の「信和建設」(大阪市淀川区、前田裕幸社長)が費用約130万円を負担した。
式典には、住民約20人が参加した。自治会長の秋山喜弘さん(65)は「支援の一つ一つが地域住民の結びつきと復興の意欲を強めてくれる。ついのすみかにいつ移れるのか分からないが、有線を使って住民同士仲良く頑張っていきたい」と話した。

※こちらの支援活動は、信和建設株式会社の全面協力により実施されました。