第1回ソシエーター講習及び認定試験報告
社会貢献学会が主催する第1回社会貢献活動支援士(ソシエーター)の講習及び認定試験が2月25日、東北福祉(仙台市青葉区)、工学院(東京都新宿区)、神戸学院(神戸市中央区)の3大学の会場で実施された。
一般の応募資格は23歳以上で同学会が認定する3年以上の社会貢献活動を有する者で、貢献活動の経験年数で認定方法が違い、経験年数3年以上5年未満の者は、講習と認定試験を受け、経験年数5年以上の者は講習を受けるだけで認定される。この日は3会場合わせて、市民が107人、学生は13人の計120人が受講し、うち26人が認定試験を受け、全員が合格。新たに認定された社会貢献活動支援士は82人となり、総計で292人となった。
講習は、同学会が作成した「第1回社会貢献活動支援士講習テキスト」(第1章社会貢献論、第2章ボランティアへの招待、第3章防災・減災(ハード)、第4章防災・減災(ソフト)~神戸発 生きる力「防災と地方行政」~、第5章チームビルディング~組織論・リーダーシップ・メンバーシップについて~)に基づいて行われた。1講義50分で、午前10時から講習は始まった。1時間目は前林清和・神戸学院大人文学部教授が「社会貢献とは何か」を中心に講義。2時間目は小抜隆・東北福祉大特任講師が「ボランティアとは」を教え、午後からの3時間目は村上正浩・工学院大建築学部准教授が建築の安全性と考え方、防火、地域の安全性などの講義をした。4時間目は、金芳外城雄・神戸学院大法学部教授が「防災と地方行政」と題して東日本大震災と阪神・淡路大震災との比較、防災福祉コミュニティーなどについて論じた。最終の5時間目は、中田敬司・東亜大医療学部准教授の「チームビルディング-組織論・リーダーシップ・メンバーシップ-」で、災害時の組織、リーダーシップ、メンバーシップなどを講義した。
そして、午後4時から60分間で50問の4択問題の認定試験が行われた。「正義」や「市民」についての定義を問う問題から、企業の社会貢献、国際協力の在り方、震災に強い都市づくりとは、など多種多様な問題が出題された。1問に考える時間は1分ちょっとと暗記力にプラス反射力も必要な試験で、受験者は真剣に問題を解いていった。
神戸市須磨区から来た元神戸市営地下鉄の職員、和泉義満さん(73)は11月に神戸市内で行われた神戸マラソンのボランティアに参加した際、社会貢献活動支援士のパンフレットを受け取り、気になっていたが、試験の3日前になってあわてて申し込んだという。和泉さんは「講習は割と分かりやすかったが、試験は難しかった。65歳まで働いていましたが、今は悠々自適です。今は小学生にテニスを教えているくらいですが、もう少し社会のお役に立ちたい。子どもを遊ばせるボランティアがしたいですね」と話していた。
神戸学院大人文学科4年で防災・社会貢献ユニット生の小川裕子さん(22)は「講習の内容が少し走りすぎていたので、ついて行くのにしんどかったですし、振り返りの時間もほしかったですね。試験は8割くらいは出来たかな?学生時代に市民救命士を取得して活動してきたので、これからも人命をキーワードにボランティアをしていきたい。社会人になれば、ボランティアをする機会が少なくなるかもしれないので社会貢献活動支援士を取得して、この資格を通じてつながりを持って行きたいです」と決意を語った。
同学会では、今後も年に数回程度、こうした講習会と認定試験を実施する方針。ソシエーターになると、①学会などのネットワークを活用して多くのボランティア仲間ができる②ボランティア活動に関する情報が得られる③学会のポータルサイトで情報発信ができる④様々な研修会に参加できる⑤認定証が交付される――などの特典がある。講習受講料は1万円(テキスト代を含む)で認定試験料は3000円。資格認定費用として登録料が3000円、学会の年額費用(正会員5000円、市民会員1000円)が必要となる。
社会貢献学会 広報委員会
委員長 安富 信